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賢者の石と言えばいわゆる錬金術の最終目標として、有名なシロモノだ。

賢者の石は漫画や映画などで描写される時、赤い何かとして表示されることが多い。これは何故だろうか?

そもそも賢者の石とは?

賢者の石は卑金属を黄金に変え、人間を不老不死にするというありとあらゆる錬金術師達の最終目標だ。伝説上では、ヘルメス・トリスメギストスやパラケルススが所有していたとされる。

賢者の石が最終目標とされるのは、それがあらゆるものを完成の階位まで引き上げるからである。錬金術における金属の最上位状態とは黄金であり、完成した人間とは不老不死の状態なのである。

ニグレド、アルベド、ルベド説

それでは、なぜ賢者の石は赤いと考えられているのか?

説の一つとしては、錬金術書に載っている賢者の石の作り方にニグレド、アルベド、ルベドという言葉から連想されたと考えられる。これは賢者の石に至るまでの三状態とされる。

ニグレドは黒化、アルベドは白化、ルベドは赤化と訳される。つまり、ルベド、赤くなれば完成というわけだから、賢者の石は赤いという説が出てきたわけだ。

ただ、この三状態は色を表しているわけではなく、物事の有り様を示しているという考え方もあるから注意だ。

水銀の原料が赤いから説

中世錬金術において、水銀とは非常に重要な物質であった。確かに金属ながら流体という性質を持つ水銀は『完全』を目指す錬金術たちにとっては非常に不思議に移ったに違いない。

その水銀だが、実は赤い鉱石から作り出される。辰砂という硫化水銀の鉱石である。

現代においても、水銀はこの辰砂を加熱して取り出された水銀蒸気を冷却して作り出される。そして、辰砂と賢者の石は混同され、賢者の石に赤いイメージが付いたのかもしれない。


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阿久野

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