カルビーポテトチップス期間限定パクチー味の感想とパクチーの効能の嘘

 世間ではパクチーブームらしい。というよりも、食文化の裾野が広がってそれまで目を向けられることがなかった食品に光が当たり、その刺激的な風味に騒いでいるだけなような気もする。パクチーは好き嫌いがはっきり別れる食べ物であり、とにかく他人の注目を浴びたい、他人との関わりが欲しいSNS世界の中で話題にしやすかったのもあるだろう。
 私自身はスパイスの類が好きなので、もちろんパクチーも嫌いではない。そういう意味ではこういった食品が増えるのは歓迎だ。
 そんな中、カルビーがパクチー味のポテトチップスを出したので食べてみた。ちなみにパクチー味のポテチは輸入食品店のカルディも出している。そちらは食べたことがない。

パクチーの味がしない?

 てっきり、ポテチの周りにパクチーが細切れにまぶされたものが出てくるイメージだったので、ちょっと拍子抜けしてしまった。食べてみると正直うまい。しかし、パクチーの味はほとんどしない。後味の風味にほんのりあるかなぁという気はする。恐らく、何も言われずに出されたらパクチー味とは気がつかないだろう。
 どういう味がするかと言うと鳥のうま味と脂の味がするが、後味が爽やかなのでついつい食べてしまう。正直に言えば期間限定なのはちょっと惜しい。

という訳で、使われた材料を見てみる。ポテチなのでもちろんジャガイモが一番、脂が二番だ。パクチーが出てくるのは六番目、しかも種である。この種の選択はある意味では正しいのだがそれは後述する。どうやら、チキンの味はチキンパウダーが主原因のようだが、これが味の主役になっている。
 総合するとパクチーを期待すると肩すかしを食らうが、パクチーが嫌いでも楽しめるチキン味のポテチなっている。

パクチーはオカルト食べ物

 パクチーで検索すると「パクチー 効能」という結果が上の方にサジェストされるが、パクチーの効能という単語を使うのは間違っている。パクチーに特筆すべき薬用成分はないし、含まれているのはごくごく当たり前の栄養ばかりである。実際、生姜や乾燥したミカンの皮は生薬として日本薬局方に登録されているが、パクチーは登録されていない。(ヨーロッパでは、パクチーの種なら登録されているらしい。そういう意味ではカルビーは正しい。)
 他にも調べれば、毒素を排出するキレート作用があると言われているが根拠は示されていない。
 なぜ、パクチーがこんなに健康にいいかと言われているかと言うと、ビタミンC含有量が非常に多いからだと思われる。ビタミンCには確かに粘膜集副作用があるから肌にもいいし、抗酸化作用もあるすごい栄養素だ。
 ヱスビー食品によれば、100g中に96mg。これは確かにトップクラスで多いと思っていい。一日で成人が100mg摂ればちょうどいいと言われているので、パクチーと100g食べればだいたい必要なビタミンCはとれていることになる。
 しかしである。パクチーを100g食べれるかというと難しいのではないのだろうか。パクチーは葉の形状から山盛りにしやすいが間に入っているのは空気であり、見た目の体積と量は一致しない。つまり、恐らくばかすかパクチーを食べるより、ピーマンを食べていた方が効率的にビタミンCは摂れる。
 どんな食事もバランスが大事。結局これである。

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阿久野

境界論を主軸に民俗学、錬金術、魔術、宗教学など。 ねこさんを崇めよ。