スープストックがカレー屋になっていた日記

 スープストックトーキョーなる店を知っているだろうか、スープばっかり扱っている店と思われがちだが案外スープ以外にカレーやお粥、デザートなどもあるお店である。スープストックと言われればどうしてもコンソメやブイヨンをイメージしてしまうが、実際はもっと濃厚なスープが並んでいるというなかなかオシャレな店である。中でも私は東京ボルシチというメニューが大変好みなので、ちょっと昼飯に食べに行くかーとスープストックに向かったのだ。

 こんな外見だったっけ…… 訪れた先は看板や外見に非常線のような黄色いテープが張られ、メニューは全てカレーに置き換わっていた。衝撃である。私は東京ボルシチを食べにきたのに、年に一度のカレーイベントに来た人みたいになってしまった。そもそもスープストック東京にそこまで思い入れが無いのでほぼ年に一度ぐらいの来店頻度である。年一をハズしてしまった。

時すでに遅し行列に呑まる

 「おー、カレーだらけじゃん」と感心しながら写真を撮っていたら後ろに行列ができていた。もう引き返せない、東京ボルシチのゲージは下がっていきカレーのゲージが上がっていく。どうやらカレーストックというのは「6/18(月)〜7/27(金)の6週連続、週替わりで計12種類のカレーを販売します。」といったイベントらしく、訪れた日はこの期間中に販売するカレーが12種類中8種類試せるという限定日だった。

 改めてカレーのメニューを見てみると普段見ないような美味そうなメニューだらけである。この中から1つを選ぶのは難しい! え、なんだって3種類のカレーを選べる「カレーとカレーとカレーのセット」があるって?

山椒、ビンダルー、辛くないカレー

 悩みに悩んで消去法で選んだ3種のカレーを紹介するぜ、「ぶどう山椒の麻婆カレー」に「豚トロのビンダルーカレー」、最後に「茄子と牛挽肉の辛くないキーマカレー」だ。すごい事にどれも私のイメージするカレーとはかけ離れている、カレーに対する視野が狭かった事を実感させられる。ぶどう山椒の麻婆カレーは完全に中華料理の味だし、辛くないキーマカレーはピリ辛とかそういうのでは無く「完全に辛さが無い」のである。カレーってなんだろうという新たなる疑問が湧き上がってくる。

 カレーとは多種の香辛料を使った料理、でも辛くないカレーは「辛」が無いので香料であり、つまるところ最近流行りの透明飲料も全部カレーである。ちなみにレジで何か黄色いモノを見せるとイエローラッシーがサービスされる。咄嗟にL〇FTの買い物袋を見せる事でこのイベントをクリアできたのだが、前のお姉さんが「何か黄色い物お持ちですか?」に対して金髪の毛をファサっとして「この髪ではダメかしら?」とやっていたのでカッコよかった。一緒に並んだ人はカレーストックの店内のチラシを出して無理やりクリアしていた、カッコわるかった。

食べなかったヤツらが気になる

 カレーを食う時はよく「おいおい昼もカレーだったよ」とか「昨日もカレー食べた」などと連続することが多い、カレーストックもまた連続する。昼食べたのに夜には違う店舗に足が向かっていた。

 昼間とは違ったカレーらしいカレーを注文。「カシューナッツのホッダ(スリランカ風ココナッツカレー)」に「サンバール(豆と野菜のスパイスカレー)」である。一気に私のイメージしているカレーに近くなってきた。近所のスリランカ料理店のインド人に調教された結果、ダル(豆)が重要だという事を舌に刷り込まれてしまっていたのでどちらも懐かしい味である。ちなみにカシューナッツのホッダはまたもや辛くないシリーズのカレーであり、カレーの定義はもはやなんでもありな気がしてきた。香辛料使ってたらカレーである。

 前述したイエローラッシーだが、実はこのラッシーかなりクセが強い。店内を見ていても何人かは一口飲んで残しているという状況だった。何故ならばこのラッシーもまたカレーだからである。このラッシーを渡される時に「よく混ぜて飲んで下さいネ~」と言われるのだが、黄色い何かが底にたまっている。マンゴーラッシーみたいなもんかなーと飲んでみるとやけに柑橘類とスパイスが効いているわけだ。カレーの締めにカレーを飲む感じである。

 このイエローラッシー、実に美味かったので店員さんに中身を聞いてみた所「ジャバラ(柑橘)にカルダモンとタイムを混ぜ合わせてジャムにしたもの」を使っているとの事だ。無駄に本格的である。
 カレーストックの期間はまだあるので、この日にはメニューになかった「レモンチリの冷たいカレー」なるものを食べに行きたい。サラダ感覚の冷たいカレー、一体どんな味なんだ。年一のスープストックの次回はいつになるのか。

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小林RH

編集長オカルテック
ネットゲーム、アナログゲーム、ギャンブル、ダイエットなどの記事をメインに オカルトといえばホラーなイメージを覆すため日々執筆中 「オカルトとは誰でも楽しめるエンターテイメント」