巷で大人気大流行と噂のカワウソです。確かに画像や動画で見るカワウソは目が丸く、動作もコミカルで非常に可愛らしく感じます。しかし、日本ではカワウソが野生に存在しておらず、人間の手による繁殖も難しい為個人が飼おうとすると入手ルートは輸入に頼らざるを得ません。その上、水遊びの場を用意したり、カワウソの健康を見ることができる獣医があまりいないなどとにかく個人での飼育は非常に難しいです。では、動物園で眺めるしかないのかというとそんなことはなく、カワウソと直に触れ合える場所があるという噂を聞き、行ってみました。
 今回訪れたのは神戸市北野坂にあるか和うそCafeです。現在、関西でカワウソと触れ合えるCafeは難波にもありますがこちらの方が先に出来たときき、こちらを選びました。

カワウソと触れあるのは意外と難しい


 お店の中に入るとだいぶ暑い。というのもカワウソ以外にハリネズミやデグーなども飼育されており、どちらの生き物も寒さに弱いので室内の温度をだいたい25度くらいに保たなければいけないのだろう。ハリネズミやデグーなどとも触れ合うことが出来、気に入れば購入することもできる。
 お店の料金形態としては、一時間平日1000円、休日1200円、ワンドリンク付き。平日は30分延長400円。ただし、休日は延長することが出来ない。ふれあいを希望すると追加で500円。ふれあいはカワウソへおやつをあげるのと実際にふれることができる。また、カワウソだけでなく、デグーやハリネズミなども選択することが出来る。ふれあい時間は約三分間。休日はほぼ1700円確定である。
 カワウソとのふれあいを希望すると画像に書いてあることが説明された。特に重要な点として

・やりたいことを邪魔したり、急激に人間が動くとビックリしてかみついてくる可能性が高い
・歯が鋭く、噛みつく力も強いので噛まれると血が出る可能性も高い。指がちぎれる程ではない。

 説明を受けるに意外とアグレッシブなようだった。にしても、この説明を聞くに個人で飼うのはますます難しいことのように思われた。

実際にふれあってみる


 ふれあい専用スペースに入り、まずちびちびという生後10ヶ月の雄にワカメをあげる。10ヶ月とは思えない程体はがっしりしている。肉食だが、ワカメが大好物らしい。専用スペースに入った途端、鳴き声がすごい。ぎゅあーとかぎぃあーみたいな怪鳥のごとき鳴き声を大音量であげたかと思えば、きゅうきゅうと可愛らしい声で鳴いたりもする。指先で摘みながらあげるともれなく指先も噛まれるので手の平の上にのせてあげる。その時に手に接触することが出来るのだがこれがふにふにとしていて可愛らしい。そして、器用にワカメを掴んでいるところを観察することができる。

 そして、少し待ったあと二歳のメスのぶーりんを触ることができる。お店の人がぶーりんにキャットフードをあげて気を逸らしている間に胴体を触る感じだ。触った感じとしては若干脂ぎっているかんじで、ぱっと見のイメージからうけるふさふさした感触ではない。毛量は多く、柔らかい。胴体以外はあまり触らない方が良さそうな雰囲気であった。

カワウソという妖怪

 かつての日本にはニホンカワウソという本邦独自のカワウソがいて、我々の生活のかたわらに生活していた。そんなカワウソが当たり前にそばにいた時代、カワウソは動物であると同時に妖怪であった。私は初めてネット上で可愛さを強調された写真や動画見たとき、こんな可愛いものが妖怪に見えるとは不思議だなと思ったものだが、こうして直にふれあって昔の人がカワウソを妖怪をしたのが分かった気がする。というのも、彼らと仲良くしようとするのは犬ネコに比べて、それなりに難しい。そして、餌を食べるときに目をむき出しにする姿はちょっとこわい。
 川赤子という妖怪がいる。川などの水辺で姿は見えないのに赤ん坊の声がするという現象系怪異だ。おそらくこれの原因はカワウソの鳴き声だろう。また、獺祭という言葉がある。これはカワウソが食べ終わった魚の残骸を並べているのが縁日の様子の見えて作られた言葉であり、カワウソには人格があるかのように感じられる場面も度々あれば同時に、接してみると彼らが獣であることも分かる。
 彼らがネット上で可愛いの文脈上で語られるのはカメラの進化であり、彼らと分かりあうだけの我々の余裕ができた賜物である。また、カワウソの可愛くない姿を見て、過去の人々が考えたことに思いを馳せるのも感慨深いものである。


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阿久野

境界論を主軸に民俗学、錬金術、魔術、宗教学など。 ねこさんを崇めよ。