【悲報】恵方の40%は南南東

 今年もこの季節がやってまいりました。節分です。節分といえば最近では豆より食べる物があるそうですね。何でも若者の間では季節に食べる料理としては雑煮よりも浸透しているとか。それがいわゆる恵方巻き。福を巻きこむとかなんとかゲンを担いで、一家全員黙って特定方向をむき、口を動かすシュールな光景が出来あがるアレです。
 さて、ここで毎年話題になるのが一体どちらの方向に向かって太巻きを食べるのかということです。つまり、恵方はどっちだということ。恵方が決定される仕組みは実ははるか昔に作られた陰陽道によって決められています。

恵方の決まり方と陰陽道


 そもそも恵方というが何なのかというと、歳徳神(としとくじん)というその年の福を司る陰陽道の神様がいる方向です。
 陰陽道と言うのは古代中国の自然哲学が古代日本に伝わり、独自に発展した呪術占術です。その自然哲学の考え方とは、自然世界は五つの属性とプラスマイナスで循環している(陰陽五行説)ということです。
 また、陰陽道の基礎的な考え方が中国から伝えられたときに一緒に伝えられたのが方位術とよばれる方位と吉凶を結びつける考え方です。同時期に伝えられた為か、陰陽五行説や方位術は一緒くたに陰陽道の中に取り込まれていきます。
 その結果、生まれたのが幸福な方角の擬人化とでもいえばいいのか、歳徳神という神様が生まれました。
 この神様、幸福な方角がどちらかという神様なので、当然毎年移動をします。その為、恵方は毎年変わってしまうんです。

16方向とのズレ


 さて、恵方が歳徳神という神様がいる方向であるのは説明しました。そして、今年の恵方は南南東です。
 南南東というのは16方位における1方位でしかありません。ならば、恵方になるのは1÷16で6%の確率でしか恵方にならなそうに見えます。しかし、この南南東、やたらと恵方になる確率が高いんです。皆さんも今年の恵方は南南東と聞いて、前聞いたことがあるような気がしませんか?
 実はこの歳徳神、16方位をぐるぐる巡って移動するのではなくて特定の方向のみ移動します。しかも、その特定方向とは四つのみ!つまり、実は恵方って四つしかないんです。その四つとは、東北東、西南西、南南東、北北西です。
 しかし、ここで不思議に思われた方もいるはずです。四つならばその確率は25%。けっして、40%という中途半端な数にはならないはずだと。
 というのも、この四つの方位のどれが恵方になるかは十干によって決定されますが、要約すると西暦の下一桁の位と関係があります。西暦下一桁が4or9なら恵方は東北東、0or5なら西南西、1or6or3or8なら南南東、2or7なら北北西という風に決まっています。10年のうちの4年分が南南東に割り当てられているため、南南東は40%の確率で恵方になってしまうのです。

今年の恵方巻きはスシローがおすすめ!

 さて、恵方がどこであっても食べる恵方巻きがなくてはお話にならないという訳で、今年のスシローの恵方巻きは特上海鮮太巻、上太巻、キンパ太巻、鬼に金棒えびカツ巻、小巻セットの五種類。とくに鬼に金棒えびカツ巻きはえびカツの前半分にご飯を巻いてそこに豆をまぶすことで鬼の金棒を再現というお子様受け抜群の代物だ。それぞれ、550円、350円、350円、400円、350円。先着でまぐろラッコの鬼のお面がついてくるのでだっこずしファンも要チェック!

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阿久野

境界論を主軸に民俗学、錬金術、魔術、宗教学など。 ねこさんを崇めよ。