2012年に世界が滅亡しなかったのは何故か

mayacal
 世界滅亡ネタは非常に面白かった。
 西暦1999年に流行った2000年問題やノストラダムスの予言が盛大に空振りし、皆がオカルトの真髄を確認した10年後だった。各地で取り上げられ始めるマヤ歴を元にした世界滅亡説。
 どうやって世界が滅ぶのか、いつそれが起こるのか、マヤのカレンダーの神秘などが次々にメディアに紹介された。マヤ歴を元にした終末論は、ノストラダムスの予言とは違い様々な方向から信憑性を増すことができたのだ。
 1999年よりも普及したインターネットのおかげか、様々な方面から滅亡説が取り上げられる。まさにその当時しか味わえない雰囲気だった、今回はその一部始終を振り返ってみたい。

 

繰り返されるXデイの塗り替え

  2011年10月28日 ─ 医師のカール・コールマンが提唱した滅亡の日
  2011年12月22日 ─ 紀元前3114年8月13日から普通に計算した場合の滅亡の日
  2012年12月21日 ─ GMT相関定数(584,283)の場合と言われているが上記と1年のズレ
  2012年12月23日 ─ GMT相関定数(584,285)の場合と言われているが上記と1年のズレ
  2015年9月3日 ─ うるう年の計算ミスであったというが信憑性は無し

 マヤ歴、特に長期歴が2012年に終わるというのが元ネタになっている。この長期歴は1872000日まで記録できるグレゴリオ歴に直すと約5125年という時間だ。
 長期歴を表すと「12.19.19.17.19」というような5つの数字になる、一番小さい単位がキンと呼ばれ1日である。20キンで1ウィナル、18ウィナルで1トゥン、20トゥンで1カトゥン、20カトゥンで1バクトゥンと位が上がる。バクトゥンという単語は研究者が付けたとされ正式な名称ではない。そして最大のバクトゥンが13回訪れると0に戻るというのが長期歴である。(ちなみにカトゥンが13回で循環するのが短期歴である)
 では2012年にこの長期歴が終わるというのならば、始まりがあるわけだ。それは紀元前3114年8月13日とされている。なぜこの日が始まりとされたのかは当時あまり詳しく追及されなかった。それよりもどう滅ぶかのほうがオカルトエンターテイメント性が高かったのだろう。
 2011年は東日本大震災の年でもあり、そういった点からも注目されていたとされる。

GMT対称法と呼ばれる手法

 さてマヤ長期歴始まりの日はどうやって計算されたのか。マヤ文明もさすがに5125年といった長期暦は使いにくかったらしく、日常的に記されていたのは256年を周期とする短期歴だったのだ。短期歴はグレゴリオ歴と照らし合わせてみることができるため比較的簡単に時代を特定できた。
 しかし、長期歴とグレゴリオ歴を照らし合わせる証拠は少なかった。現存する遺物は、バクトゥンの部分が7から始まるcycle7の資料と呼ばれるものであった。数少ない歴史的資料から導き出されたのが紀元前3114年8月13日というわけだ。正直な所、私はこの始まりの日の信頼度は30%ぐらいだと感じている
 

何が起こるとされたか

小惑星衝突説 小惑星Xが地球に衝突し文明が崩れる。惑星Xはニビルやネメシスなど候補がたくさんあった。
太陽フレア説 太陽の黒点の活動が活発になり、電子機器が破壊されるといったものだった。
フォトンベルト説 神秘的なパワーが降り注ぐとされ、アセンションの引き金とも言われた。
温暖化─氷河期説 氷河期に突入することで実質的な滅亡へのカウントダウンだという説
新型ウイルス説 極めて致死率の高い新型ウイルスが世界に蔓延するという説。説得力があった。
アセンション 精神の次元が5次元に上がることで、上がれない人類が滅亡するという説

 マヤ人は時間とは過去から未来に行き、過去に戻る。つまり循環するものと考えていた。未来から過去に、と聞くと何かオカルトめいた感じだが、実際には月~日が終われば月曜日が始まるようにカレンダー的な意味であったとされる。
 そんな思想で作られた長期暦なので終わろうが次の長期暦が始まるだけというのが滅亡説に否定的な意見である。結果だけ見れば新しい長期暦に入っただけであった。しかし、マヤ文明をほぼ引き継いだアステカ文明では暦の終わりの日には生け贄の儀式など物騒なことを行っていたので、暦の終わりという日は不吉であるのは間違いないだろう。
 あれだけ滅亡を推していた月刊ムーが来月号の宣伝を入れるというオカルトが一番不吉であった

 

第6の世界は始まっていない

 マヤの長期暦は5つの太陽の時代があり、紀元前3114年から始まり2012年に終わったのが第5の太陽の時代とされている。
 そして今は第6の太陽の世界だという説が多いが、私は時間の循環を意識して第1の太陽の世界がまた始まったのだと思っている。第1の太陽はジャガーとされており、これはもはや猫である。
 マヤの歴史では5125年後にジャガーに世界が食べられて終わるとされている、専門的な見方をすると猫が世界を食べるとも取れる。
 私はここに予言をしたい。

 西暦7137年、増えすぎた猫が世界を滅ぼすだろう

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小林RH

編集長オカルテック
ネットゲーム、アナログゲーム、ギャンブル、ダイエットなどの記事をメインに オカルトといえばホラーなイメージを覆すため日々執筆中 「オカルトとは誰でも楽しめるエンターテイメント」