5つの時計
朝、君が目を覚ますと部屋に掛けているアナログ時計を見る。「6:30」だ。
続いてスマホのデジタル時計を見る。「7:00」だ。
枕もとの目覚まし時計を見る。「7:00」だ。今は何時だろう?
ほとんどの人が7:00と答える。
この場合、アナログ時計が壊れているという可能性が高い。アナログ時計が30分遅れているのだ。正確な時間を確かめたくなった君は腕時計を見る。「6:30」だ。
他に時計が無いかと探してみると、おもちゃの時計があった。「6:30」だ。今は何時だろう?
現代版「5つの時計」
時計職人の話をベースに現代版にアレンジした「5つの時計」
君は何時を選択するか、世界は何時を選択するか。
この話の著者は「時間」を「情報」に置き換えた。時間を知るという行動は、情報を受け取るプロセスに似ているという。
君が1つ目のアナログ時計しか見ていない場合は「6:30」だと信じて疑わないだろう。
2つ目の時計を見た場合、どちらかが間違っていると感じる。この場合、信頼できる情報源を信じる傾向がある。
「スマホのデジタル時計が遅れることなんて無いだろう、アナログ時計なら壊れることもある」 or 「複雑な機械だからおかしくなったのではないか、時間を知るための機能しかない時計なら安心だ」
3つ目の時計を見た場合、1つ目のアナログ時計が遅れていれば合点がいく。ここで2つ目、3つ目の時計が壊れていると考える人はほぼいない。
4つ目以降の時計
情報源である時計は限りなく存在するだろう。しかし、ほとんどの人たちは4つ以上の情報源を求めないのである。
代わりに1つの情報源が信頼できるかどうかを求める、時間を知るために時計を何十個も持つ人は居ないのだ。
4つ目以降の時計は見られることなく「正しい時間」は選択される。
しかし、この「5つの時計」にはカウントされていない時計があると私は思う。それは体内時計というバランス感覚である。
現代人に足りないのはそういった感覚ではないのだろうか。
入り交じった多種多様な情報は何が正解なのかわからない、今まで正解だった事が覆ることもある。
何が正解かわからなくなった時、まずは自分の勘を信じてみるのだ。
小林RH
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