京都「首塚大明神」で酔わされる
時代と共に心霊スポットと呼ばれていた場所が更地になっていたり、安全のために照明が取り付けられたりし少なくなっていった。
そんな中、知人の記憶だけを頼りに京都の山に向かうことになった。その知人が言うには霊園の向こう側に鳥居があり、そこの雰囲気が寒くて長く居るのが怖い、などという曖昧な情報だけだったので実在するか怪しかった。
それなりに交通量の多い山道を登っていくとGoogleマップ上ではトンネル手前に脇道がある、そこを曲がると目的地に着くというものだった。
モーテル・サンリバー
目的地である「首塚大明神」手前にはもう一つ心霊スポットと呼ばれる場所がある。それが「モーテル・サンリバー」と呼ばれる廃墟である。
「6月20日 男の日」と書かれた謎の文字などが心に残るが、基本的には不法投棄の場所になっているのが残念である。
そもそも目的地では無かったのと脇道が狭すぎてマトモに見ることができなかったので現状はわからない。あと夏の服装的に廃墟探索には向かなかったので今回は見送ることにした。
酒呑童子の話
さて目的地である「首塚大明神」に到着したわけだが、ここに誰の首が埋められているかというと「酒呑童子(シュテンドウジ)」である。
御伽草子(おとぎそうし)によって描かれた、平安時代に源頼光(みなもとのよりみつ)らによって征伐されたとされる鬼である。
頼光四天王らが討ち取った首級を都に持ち帰る途中に急に首が重くなり、怪力の坂田金時ですら持ち上がらなくなった。仕方なく首をこの場所に埋めて首塚を作った、とされている。
その由来の通り、どうも奇妙な所に建てられた鳥居や無理やり作ったであろう道など不自然な点が多いのが心霊スポットたらしめる点であろうか。
心霊的な報告としては「鳥居をくぐると呪われる」「様々な呪いを受ける」「心霊写真の報告が多い」などである。また首塚の近くには落雷が直撃し、中身が灰化した木などもあり、その不気味さも含めて語られることが多い。
実際の様子
2016年8月(記録として残すため日付を記載する)
訪問時は夜である。「24時間カメラ監視中、不法投棄禁止」などの看板を見るとそこが世間的に心霊スポットとして認識されているのが伺える。おそらく不法投棄などの犯罪行為を見かけた人物の噂などが大きく広まり、霊が見えたなどと認知されていくのだろうか。
気配としては特別何か感じるものはなかった。近くに京都縦貫自動車道が走っていることもあり、その音などが聞き取れるかを試してみたが、残念ながら聞き取ることができなかった。物音もせず、生物的な気配もせず、静かであることが逆に不気味であった。
本殿の横にもう一つ奥に続く階段があると感じたのだが、後々確認してみるとそういったものはなく。そこには首塚と伝えられる土盛があったらしい、自身の体験であるが少しオカルトである。
酒呑童子もさすがに来た人全員に呪いをかけたり、首から上の病を治したりするのは面倒くさいのか、起こった事と言えば慣れないワインディングロードで車に乗っていた全員が車酔いをする程度であった。
小林RH
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