呪いは想像力によって作られる
今、あなたの後ろに白い服を着た女の人が立っています。
という文章を読んで、思わず後ろを振り返ってしまった人、振り返るまではいかなくてもどこかギクリとした思いを抱いた人、これが呪いです。私は今貴方達に呪いをかけることに成功しました。
まったくアクションを起こさなかった人は冷静であるか、あるいは想像力が欠けているか、何にせよ呪いにかかりにくい人達でしょう。
最初の文章を読んで大凡の人は何を考えるか、そこに呪いの全ては詰まっています。
呪いを成功させる為に必要なもの
呪いをかけるためには古今東西様々な手法と信仰が編み出されてきました。確かに適切な手法を選ぶというのはある意味大切なのですが、その手法が常にどんな時も呪いを成功させるわけではありません。
学術的には金枝編を書いたフレイザーが感染呪術や類似呪術といったカテゴリーを作り出していますが、直接的にそれが呪いの成功率をあげる訳ではありません。
呪いを成功させる為になにより必要なのは呪う対象が呪いにかかりやすい人であることです。
何故なら、呪いとは共感と想像力によって作り出される錯覚だからです。
対象が呪いを信じている人なら、例え実際に貴方が行動していなくとも対象に対して「貴方は誰かに呪われている」というだけで勝手に呪いにかかってくれることでしょう。
呪いにかかりいやすい人とはどういう人か?
本質的に相手を呪う為にはめんどくさい儀式は必要ありません。必要なのは相手にいかに強烈でおぞましく、そして、どうしようもない害意が持たれているかをいかに分かりやすく伝えるか。それだけです。
もし、貴方が誰か知らない人にあるいは知っている人に大きな害意を持たれていると知った時、どういう風な気持ちになるでしょうか。大抵の人はいい気持ちはしません。そのよくない気持ちの中にあるのは不安、恐ろしさ、罪悪感、不気味さなどが入り交じった複雑な負の気持ちです。これらはストレスをもたらします。過剰なストレスは体に良くありません。ストレスが一時期ならば良いかもしれしませんが、長期間続き、コルチゾールといったホルモンが恒常的に出るようになると血圧、血糖値が上がります。健康な成人ならば問題ないかもしれませんが、糖尿病や心臓や脳の血管に疾患に抱えている人には死亡へトリガーを引く可能性もあります。
つまり、呪いにかかりやすい人とは他人の害意から不安やストレスを感じやすい人です。
人が他人の害意からストレスを感じるのは本能的なものでしょう。しかし、その程度に差にあるのは害意から想像するものが違うからです。悪口から直接的な物理的な被害を想像するのは難しいかもしれませんが、切り落とされたネコの頭が送りつけられれば物理的な被害を想像する人は多くなるでしょう。なぜなら、ネコをネコの頭にするには刃物を使います。また、一匹の身近な生き物が死んでいます。ここから殺害されることを連想してしまうのです。
しかし、そもそも強大な自分を守る力を持っている人にネコの頭を送りつけるとストレスが感じられるでしょうが、普通の人よりは軽いでしょう。自分が殺害されることに連想が及ばないからです。つまり、呪いはきいてません。
相手の持つ想像力は呪いを成功させる重要なキーポイントなのです。
不安は想像力の負の側面から作り出される産物でもあります。あなたのその不安、もしかしたら勝手に想像して作り出しているものかもしれませんよ。
阿久野
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