湊川手しごと市でぺっぴんについて考える!

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 最近、ハンドクラフトがブームである。
 通販サイトではミンネなどが人気であるし、ヤフオクなどで売っているケースも多くある。
 オフラインな場では、今回訪れた手作り市のような催しやTV会社が主催するアート&手作りバザール、国内最大級の場所となるとデザインフェスタなどで制作者と対面で作品を購入することができる。関西には、元々京都の百万遍で三十年程前から手作り市が行われており、ハンドクラフトを売るという土壌がある。
 しかし、湊川手しごと市はたんにハンドクラフトを売る場だけではない。町おこしやグルメ味わえる場所として、賑わう湊川手しごと市に行ってきた。

場所の雰囲気

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 湊川てしごと市の主な客層は小さい子供を連れたファミリー層が多い。というのも、会場が湊川公園という広い公園の半分から2/3を貸し切られて行われる。子供を公園の遊具で遊ばせることもできるし、お店を見て楽しむことも出来ると言う訳だ。
 出ている店舗の総数はクラフトの店が全部で141、持ち帰りグルメ店が21、その場で食べるグルメが7(ただし、ここは一店舗来てなかった)、地元の商店が2、ワークショップが7と全ブース数218(2016/11/26)と、普通の街の商店街が開催している規模にしては非常に多い。

 クラフトブースに来ている店も多岐に渡る。子供服やペットの服、陶器、革製品、鉄製品、アクセサリーなど手作りのものなら何でも受け入れられそうな雰囲気だ。置いてある品もおかんアートから、スタイリッシュなものまで見ていて飽きない。ただ、主な客層がファミリー層とあってか、突き抜けてアート寄りになった感じのものを出すブースはなかった。良くも悪くも穏やかな空気が取り巻いている。

 面白いのは、公園の一角でおじいちゃん達が集まって、囲碁や将棋に興じている点である。元々このお爺ちゃん達は手しごと市もなにも関係なく、ただ公園に集まって趣味の囲碁や将棋をしているだけである。しかも、別に公園は禁煙ではないので、その周囲だけ妙に煙たい。オシャレなバッグやアクセサリーを綺麗なお姉ちゃんやアート系の青年が売る傍らでお爺ちゃん達が昔ながらの空気をまとい、集まっている様子は新旧入り交じる湊川をよく表している。そして、その自由さが手作りを楽しむと言うことを教えてくれている気がする。

グルメとワークショップの充実ぶり!

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 また、湊川手しごと市の特色と言えば、グルメとワークショップの充実ぶりだろう。
 先程も書いたが、その場で食べるブースと持ち帰りを中心にするブースに別れており、内容としては王道のカレーからピザ、コーヒー専門店、持ち帰りはシフォンケーキ、はちみつ、醤油、茶葉とお腹が空いていなくても十分に楽しめそうだ。

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 今回特に良かったのが、Rumble Dishのビーフストロガノフ。サワークリームの酸っぱさと生クリームとビーフのコクが一口で舌を満足させてくれる。

 また、公園から下の湊川パークタウンのビルに入ると、周りの昭和溢れる店舗からかけ離れたシャレオツゾーンでワークショップが開かれている。
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(これが普通の湊川)
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(シャレオツ空間湊川Otonari)

 このOtonariでは、入っている店舗と希望者によるワークショップがある。内容としてはチョークアートやサシェ作りなど、ハンドクラフトについて詳しくない人ではハンドクラフトの一端に触れることが出来る。これは大分小さい子供でも参加しており、そう言ったところも子供連れに受けているのだろう。あと、嬉しいのがマッサージを格安でうけることが出来る場所がだいたい一つはある点である。
 今回はタイ式足つぼマッサージを受けてきたのだが、いやぁ、足つぼマッサージと言うのは本当に痛いのだなぁ。意外とテレビのリアクションも間違っていない。しかし、冷え性の足は非常に暖まった。

湊川と町おこしとべっぴんと

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 湊川という街は神戸で一番栄えている三ノ宮・元町エリアから少し離れている。かつての歓楽街新開地に接し、戦前辺りはさぞかし栄えたらしい痕跡があちこちに発見出来る。しかし、時代は流れ、現在は少し寂れているように感じられる。
 そんな湊川で町おこしとして始まったらしいのがこの手作り市であり、湊川の市場のことを知ってもらおうといちばつまみ食いツアーも開催されている。つまみ食いツアーと言うのは湊川の市場のプロに市場の美味しいものを教えてもらって、また、それを食べるツアーだ。
 概ねその試みは成功して、多くの人が湊川を訪れ、知ることになったように思う。
 手作りというのは好きでないと行うことが出来ない。また、この手作り市を界隈する側からも湊川が好きなのだという気持ちが強く伝わってくる。
 たくさんの好きが溢れるこの空間からこそ、べっぴんが生まれていくのだろう。
 

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阿久野

境界論を主軸に民俗学、錬金術、魔術、宗教学など。 ねこさんを崇めよ。