本格的に砂糖税の時代、ネスレが砂糖40%カットでも甘いチョコを作る製法を発見
なんとも面白いニュースが流れてきた。ネスレ(本社スイス)が砂糖を40%カットしても甘いチョコを開発していると言う。
これは現在世界でジワジワと広がりつつある「砂糖税」の導入に伴うものだ。ほぼ政府からの圧力を受けての開発だという、ネスレは日用消費財(FMCG)メーカーとしては世界2位、そんな企業が砂糖削減に本格的に取り組むというのは大きな動きだ。
砂糖というのは料理などに欠かせないモノであるが、一方で過剰摂取による疾病リスクは計り知れない。一部の説によると「砂糖は毒」といった見方もある。砂糖が何故「毒」なのか、それは他の食品とは違う点があるからだ。
今日はネスレの動きから、世界の砂糖に対する認識の変化について調べていきたい。
ネスレの考え方
この40%カットのからくりは砂糖の構造を変化させることで、少量でも甘く感じるようにする。砂糖を溶けやすくする事により少量でも味蕾を刺激しやすくするというもの。
また、これは想像であるが砂糖の甘みを感じさせる成分を統一させない事、つまり甘い部分をまばらにする事によって、より自然な甘さを作りだすのも良いだろう。粉末スープをよく混ぜずに飲むと全体的には薄味だが、局所的に混ぜられていない部分は塩辛く感じる。この濃さの落差によってより塩辛さが感じられるという仕組みだ。
ネスレのStefan Catsicas氏は「コーヒーの砂糖を毎週少なくすることにより、3か月後には砂糖を入れなくても飲めるようになった」と述べており。ネスレの製品も一気に砂糖を40%カットするわけではなく、段階的に少なくしていくものだと考えられる。
目指す所は砂糖ゼロなのか。ブラックコーヒーの例えは実に考えさせられる。
砂糖の依存性
さて、何故世界的に「砂糖税」が導入され始めているのか。それは砂糖には他の食品と違う点があるからだ。それは依存性の高さである。
タバコやアルコールと同じぐらいの依存性があるとされる。さらに怖いのはタバコやアルコールと違って、この糖依存に陥っている患者には自覚症状が無い。自分が依存症だという事に気づかないまま大量摂取している事が挙げられる。
砂糖に関しては禁断症状なども報告されており、依存性のあるドラッグとほとんど変わりないのだ。
砂糖を摂取すると体にどういった反応が起こるのか。
βエンドルフィン
脳内モルヒネとも呼ばれる神経伝達物質、主に多幸感を与える。このβエンドルフィン受容体の活動を刺激するため、経口摂取により一種のトリップ状態に陥る。
「甘いモノ食べて幸せ~」は完全にトリップしている。
糖反射
おもしろい実験がある。
ヒトの胃は1分間に約3回ほどのペースで動いているが、胃内に糖が入ると胃の動きが止まることが東京大学での実証試験で判明している。
糖を摂取すると細胞の動きが緩慢(かんまん)になるという反応を東京大学では「糖反射」と名付けているが、未だにメカニズムは解明されていない。どうやら糖の摂取は一種の絶縁物質として細胞に作用し、神経信号の伝達を阻害するのではないかと考えられている。
つまり過剰な糖分の摂取は一時的に細胞を停滞させる。私はこの作用を脳内麻薬効果と共に、なかなか危険な実験結果なのではないかと考える。
依存効果により過剰摂取を促進させ、細胞に悪影響を及ぼし、重大な病気に繋がるのだ。
未来の砂糖事情
おそらく健康被害と砂糖の関係性が今よりもはっきりとわかり、様々な規制が入ると考えられる。
特に清涼飲料水に関しては米国でも最も注目されている部分である。ネスレのStefan Catsicas氏が述べるように私たちはもっと自然な味という物に慣れる、過剰に甘い物に慣れ過ぎた私たちの味覚を戻すのが重要だと考える。
今は税規制だけだが、法律で使用が制限されたり、違法になる未来もあるのかも知れない。
小林RH
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