マインドコントロールを解くことはできない
私たちは、常にある一定のマインドコントロール状態である、何かに影響されて生きているのだ。例えば皆が口を揃えて言う「常識」などという言葉もその一つだろう。
「洗脳」と言われるとイメージ的には頭に大がかりな装置を付けられ音や視覚を通じた拷問の末、死んだ目のような人間が出来上がる。実際に洗脳状態にするためにはこのような大がかりな手段を使わなくても可能なのだ。
今日は、何かしらマインドコントロールの罠が潜む現代においてマインドコントロールを避ける方法、マインドコントロール状態から脱する方法を調べていきたい。
また、マルチ商法にハマった知人を引き抜いた話も交えて貴方にもマインドコントロールを仕掛けていきたい。
マインドコントロールの手法
- 閉鎖的空間に長時間いる。そのような空間に繰り返し通う。
- 特定の考えに長時間触れる。繰り返し触れる。
- 特定の人物、グループと一緒に居る時間が長い。
- 特定の人物と上下関係が構築されている。
こういった代表的な手法が確立されている。
私が知人をマルチ商法から引き抜くためにマルチ商法のグループに潜入した時は、上に書いたほとんどの手法が使われていた。これから潜入する予定のある方が居るかもしれないので覚えている限り書いていこう。
まず、グループの末端である人物の紹介という形でグループトップの家に招待される。そこでは月2の頻度で各グループの報告が行われていた。報告会とは名ばかりの勧誘会である。
集合時刻は終電過ぎである。「閉鎖的空間に長時間いる」という手法のためだろう、そう簡単に帰ることはできない。
勧誘会が始まると「1日3時間、好きな時間に働くだけで年収2000万」大層な文言が飛び交う、言葉だけでは説得力に欠けるが実際にそこはグループトップの人物の家だ。そのトップが実際に来て、その生活ぶりを目の前に見せられる。
集まりは40人ほどであった、各テーブルでは勧誘する人物を4人程度で囲んで熱心に説得していた。仕組みの説明などよりも実現した後の夢などを語る集団はいささか不気味であった。
ほとんどのテーブルで「あなたは頭が良いから、すぐに儲けが出る」という殺し文句を使っていた。
私は人工知能をテストするかのようにあらゆる会話選択肢を選び、勧誘マニュアルを解明すべく楽しんでいた。
罠に陥りやすい人
俗にマインドコントロールにハマりやすい人とはどんな人をイメージするだろうか?
老人や世間を知らない人たちというイメージは大きい、そもそもこういった人たちにはマインドコントロールが必要無い事も多い。
一番気を付けるべきなのは「自分は洗脳なんかにはかからない」と思っている人である。特に私みたいなタイプは一番危険だ。これはマインドコントロールをされやすいという理由ではない。マインドコントロールから抜け出す事が困難になるという意味だ。
そもそもこういったマインドコントロールは過去に行われた心理実験などからも、ほとんどの人が引っかかるのだ。そういった一定の効果があるからこそ「自分は洗脳にかからない」と思っている人は、かかっている事を認められずに脱却する事が難しくなるのだ。
コントロールには何が有効か
詐欺被害を防ぐためには詐欺の手法を公開することが一番効果的である。それと同じようにマインドコントロールを回避するためにはマインドコントロールの手法を知ることが重要なのだ。こうした知識の前に初めて悪意が見えてくる。
とはいえミイラ取りがミイラになるのを避けるために知識武装以外にも、私は自分に「自己暗示」をかけていた。
いくつかの心理手法として私が確立させている一つである「プレイヤー・キャラクター法」を用いて「マルチ商法に興味のあるキャラ」を作り上げ、私は後ろから操作する。言葉は全てキャラクターに向けられ、プレイヤーはそれを見て、キャラクターに言葉を喋らせる。
キャラクターがマインドコントロール状態になることもあるだろう、不必要なキャラクターができてしまった場合はそのキャラを捨てることになる。同じキャラクターを保持し続けるとプレイヤーが侵食される経験があるからだ。
洗脳からの脱却
マルチへの潜入はうまくいったが、一番難関なのは知人の引き抜きである。
マルチ商法からの、新興宗教からの、詐欺師からの脱却。こういった類のものはほとんどが騙されている実感や変だなと思う実感があるという。騙されていると感じながらもそこから抜けられない理由とはなんだろうか。一番大きなものとしては「騙されている自分を許せない」だ。
身近に怪しい自己啓発セミナーやマルチに金を払っている人が居たら聞いてみるとわかるが、ほとんどが同じ答えを返してくる。「否定をしてくる人たちは可哀想だ」と。
結局のところ、私は知人に対してマインドコントロールを実施した。
カラオケという閉鎖空間で、勧誘の練習をしようという名目で行った。そしてその知人には「勧誘を頑なに断る人物」を演じてもらう。どんな内容でも論理的に断る人というのを長時間演じさせる。私は勧誘する側として非常に胡散臭い態度、熱狂的で不気味な雰囲気を演じた。
これはまさに客観的に自分を見せるために用意した演出だが、効果は高かったようだ。その後、私はそのマルチグループから姿を消したが、1か月もしないうちに知人も姿を消していた。マルチで知り合った人たちには申し訳ない、と語っていた。
世の中はマインドコントロール
人は結局のところ何かにコントロールされている。
それを上書きしていくしかないのだ。
小林RH
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