ジャンケンに必ず勝つ方法「読心術」と「操心術」
目の前に座った知人がおもむろに「私、読心術できるようになったんだ」と言い出したらどうだろうか。
ほとんどの人はこう答える「じゃあ私が今何考えてるか当ててみてよ」と。この時点で知人は読心術に成功していると言えるだろう。
私たちがイメージする「読心術」と言うのは相手の考えが全て見通せる事だ、しかしこれは間違いだ。
読心術と言うのはもっと地味なものである、相手の考えを見通すために身に着けるべきなのは「操心術」である。
ジャンケンで勝つ方法
さて、タイトルにある通りジャンケンで必ず勝つ方法というのは一種のオカルトワード、思考実験のようなものである。これはジャンケンに必ず勝つために前提とする事や条件を付け足すことにより必ず勝てるという結論に紐づける。よくよく読んでみれば「何をすれば勝てるのか、結局わからない」ということになる。
「ねずみ講ではありません」はねずみ講であるように、「必勝法がある」というのは必勝法はないのだ。ここにジャンケンの必勝法を求めて来た人には申し訳ないが、考え方を少し変えるだけで勝率を上げる事は可能だろう。
ジャンケンの思考変動
「じゃあジャンケンで決めよう!」
さて、いきなりだが私はジャンケンに参加する事になった。おそらく、この時点でグーチョキパーのどれを出そうか考え始めるだろう。
貴方が今まで生きてきた中でジャンケンで出した手の割合を覚えているだろうか。もちろん覚えていないだろう、しかしそれは各手が3分の1になるように均等に出しているとは言えないはずだ。偏りと言うのが存在する。ジャンケンではこの偏りが非常に重要になる。
「じゃあ、俺はチョキを出すぜ」
参加者の誰かがこう宣言し始めた。私は思考するだろう。
チョキを出すならグーを出せば勝てるな
いや、しかしチョキを宣言をするってことはこちらにグーを出させるのが目的じゃないか
ということは相手はパーを出そうとしているのか
ではこちらはチョキを出せばパーに勝てるな【考え出した答え】
こちらがチョキならば相手の宣言通りチョキでもあいこだ【停滞】
宣言通りチョキを出すならグーを出せば勝てるな【ループ】
このように順序立てて考える。これにかかる時間は思っているより長いだろう、平常時は思考速度が遅いこともあり5~6秒程度かかるのでは無いか。
この6秒間隔で思考がループするのだ。注目すべきはチョキを出せばいいという考えが2回続いている点である、ここでチョキという思考が一瞬だが停滞する。専門的には考えうる選択肢を全て吟味した瞬間「思考停滞期」と呼ぶ。
これに行き着くのに4秒前後かかるとすれば、こうなる。
「チョキを出すと宣言してから4秒後に強制的にジャンケンを始め、グーを出せば勝てる」だ。
操心術
相手の心を読む「読心術」というのは非常に難しい、簡単に身につく物ではない。読心術を心得たところで少し気配りが良くてがコミュニケーションの取り方が上手い人程度だろう。本来の相手の考えを見通すという点には及ばない。
そこで「操心術」というものを勧めたい。前述したジャンケンで出す手を宣言する、これは立派な操心術なのだ。
相手の心を動かす、こちらの意図通りの考え方にもっていく。もちろん相手には心を動かされたと感じさせないことも重要である。こうなると相手は完全に「心を読まれた」と勘違いする。こちらは「読心術ができる」と言えば心を動かされた事に気づかない事が多い。
ほんの少しの動作であればあるほど操心術は成立するのだ。
操心術は「相手に考えさせ、答えに行き着かせる」ことが重要である。この時にさりげなくヒントを与え、答えに行き着かせる工夫をするのだ。人は自分で閃いたアンサーを尊重する。それを否定することは自分を否定することになるからだ。
営業や会議を取り仕切る上でこの能力があれば怖いもの無しだろう。
読心術
読心術はそのほとんどが統計学・行動学によるものである。人間の行動や心理というものは多くの場合パターン化されている。
緊張や興奮すれば心拍数が上がり、落ち着かない時は目が泳ぐ。嘘をついている人はその嘘がバレるのを恐れて目を逸らす傾向がある等。
つまり読心術とは基本的にはパターンを暗記するものなのだ。
相手の心を読める特殊能力のように取り上げられることが多いが実際の所は違う。読心術が地味なもの、としたのはこういった理由からだ。
面白いことにこれは対人間だけではない、犬や猫などの動物にも行動パターンはあるからだ。
読心術と操心術は高度な会話である。読心術は聞くスキルを磨いたもの、操心術は伝えるスキルを磨いたものだからだ。
おっと今回はジャンケンで勝てる方法だったか。
「素早く最初はグーからグーを出せば勝てる」ではなく、それを理論立てて説明するページを読むように仕向ける。そして行き着かせるのだ「グーを出せば勝てる」という答えに。
あとはパーを出せば勝てる。
小林RH
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