近所の道ばたでおばちゃんが何やら採取している場面に遭遇した。どうやら聞いてみると土筆(つくし)が採れるらしい、土筆といえば昔河川敷に生えている所や春の訪れを教えてくれる季語的な存在でしか覚えていない。一応知識としてはあったのだが、この土筆は食べることができる。といっても食べた事は無い、これは妙に好奇心をそそられるわけである。早速私もこの土筆を採取しようとしたら親切なおばちゃんが採取した土筆をくれた。

 早速調理法などをグーグルで調べていると「毒性」「アルカロイド」などと物騒な単語が並ぶでは無いか。オイオイついにヤベェもんに手出しちまったぜ、と思いながら土筆を食べてみることにした。味や毒性など、なかなか興味深い土筆である。

商品名 つくし
場所 菜園の横の土
価格 0円(税別)

シダ植物である

 土筆は実は本体ではない。スギナというシダ植物の胞子茎のことを土筆と呼ぶ。シダ植物というと植物とキノコ類の間ぐらいのなにやらハイブリッドな植物である。あの葉っぱの裏に黒い粒々がびっしりと付いているトラウマ系のイメージのほうが強い。あの黒いつぶつぶが胞子なので、スギナさんはそれを全部土筆に割り当てている感じである。ちなみに別名「地獄草」というらしい。中二っぽい。

 土筆の胞子は頭の部分に詰まっている。食べる場合は節々にある退化した草の部分、通称ハカマを綺麗に取り去らなければならない。この部分は調理しても硬く、茎との間にゴミなども含まれているため取り去るのが好ましい。

灰汁抜き

 とにかく土筆は下処理が多い。ハカマ部分を爪ではぎ取った後に灰汁抜きの作業がいる。まずこのハカマを取り去った土筆を水で綺麗に洗おう、2~3回に分けて丁寧に洗うほうが良いらしい。その後熱湯で湯通しをする。この時熱湯が土筆の胞子によって緑色に変わる、これが灰汁。

 灰汁抜きはしすぎても苦味が無くなるので5分ぐらいが良いらしい。苦味を楽しみたい人や天ぷらとして調理する場合などは少なくしてみたり、苦味を無くしたい人は多めに取ってみたりと、この灰汁抜き作業で味が決まると言えるだろう。

かつおぶしと醤油で和える

 茹ですぎたのかほとんどモヤシのようになってしまった。調理法を見ていてもモヤシを使う料理をそのまま土筆に置き換えても大体イケそうな気配である。今回はかつおぶしと醤油で軽く和えたものを作った。それでは食べてみよう。

 頭の部分が実に苦い。「春の苦さ」とか謎の表現があるが、草系の苦さである。タラの芽とかそこらへんの苦さである。確かに天ぷらにするとこれは美味いかもしれない。頭の部分が完全に開いていない若い土筆だったからかインパクトのある味であった。

アルカロイド、毒性について

 植物には毒性のあるアルカロイドが含まれているものが少なくない、多量に摂取しても問題の無いモノから少量でも中毒になるモノまで様々である。そもそもアルカロイドというのはニコチンやキニーネ、じゃがいもの芽などに含まれるソラニンなどの物質である。摂りすぎると嘔吐や目眩、腹痛下痢吐き気など発症する。土筆にはこのアルカロイド以外にも無機ケイ素、チアミナーゼなども含まれている。チアミナーゼはワラビやゼンマイにも含まれる。

 心臓疾患、腎臓疾患、ニコチン過敏症などの方は食べないようにしたい。

 ここまで書いてみると、やはり「土筆は毒草」といっても過言では無い。といっても多量に摂取しなければ問題が無い程度である。多くの植物に言えることだが、食べ過ぎというのは何か悪影響が出るわけだ。銀杏や土筆などの季節を感じる食べ物は魅力的だが、量には気を付けよう。別に食べなくても人生で損は無いが、一度ぐらい食べていただきたいものである。


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小林RH

編集長オカルテック
ネットゲーム、アナログゲーム、ギャンブル、ダイエットなどの記事をメインに オカルトといえばホラーなイメージを覆すため日々執筆中 「オカルトとは誰でも楽しめるエンターテイメント」