「とろけるカオスープ」の味

 あの名作「ソルティライチ」を生み出した世界のKITCHENからシリーズでも異色の輝きを放つこいつを知っているだろうか。その名も「とろけるカオスープ」である。コンビニの冷蔵ケースのだいたい左上のほうにひっそりと並べられている事が多いこのカオスープだが、なかなか手に取ろうと思わない上に手に取った後にちょっとパッケージを読んで戻すかという気持ちになる方がほとんどだろう。

 とにかくこのミックスジュースや野菜ジュースと見せかけて全くヤバいものを混ぜているジュースなのだが、飲まずにはいられない。引き込まれる感じである、手に取るのは必然、鼻で嗅ぎたい、舌で味わい体内で消化したい。そういった感情が湧いてくる素晴らしい飲み物である。色が良いよね。

何が入っているのか

 チーズ、桃、ミント、トマトと並ぶ意味のわからんパッケージである。これが中身である。飲み物にチーズという時点で地雷臭以外感じられない点が感情を燻らせる。トマトジュースは美味いし、トマトとミントの相性がいいのも知っているが、トマトジュースとミントを合わせるのは知らない。ほとんど飲むピザ状態のチーズ、トマト、ミントに対して最後のピースが桃というのはさらに知らない知識である。もうここまでいくとベーコンとかカルビとは混ぜたほうがいいんじゃないのかというのは素人の考えだろう。こいつは飲むピザではない、とろけるカオスープだ。

そもそもカオスープっていう飲み物があるわけでもない

 世界のキッチンからと言っているんだ、きっとタイらへんにカオスープっていう料理があるんだと思って調べたらCHAOS(カオス)+SOUP(スープ)でCHAOSOUP(カオスープ)などと書いてやがる。公式のベトナムの下りは全く意味がなかった、ベトナムで味わった料理を胃で混ぜ合わせたらこうなりました的な見解である。

 しかも説明にはカオスープシリーズ誕生!とまで書いているのだ、こいつはポッと出の一発屋では無くカオスープがさらに登場することを示唆している。良いのか、GOサインは本当に出たのか。疑問がミックスされてさらにカオスになってゆく。

桃の香りがかなり感じる

 トマト汁55%、もも果汁12%ということでトマト汁のほうがほぼメインである。トマトは果汁じゃなくて汁なんだね野菜なんだねといった気持ちである。予想に反して12%の桃がかなり主張してくる、なんだったら見間違えて桃が55%なのかなと思ってしまうほどだ。

 しかし、少しでも気を緩めるとチーズの臭いが漂ってくる。においという感じは2種類あるが、今回は臭いのほうを使わせてもらった。理由は特にない。あまり気にしないで欲しい。臭いはくさいではない。MTGカードでも間違えたよね「臭い草のインプ」。

注がれてしまった、飲むしかない

 などと言っているうちにコップが満タンになってしまった。もう飲むしかない。ほのかに感じるチーズの臭いを躱(かわ)して口内に注ぎ込む。

 お、美味い。トマトと桃っていい感じに調和する。トマトジュースと想像するとどうしても塩分が含まれているものだったりと苦手な人が多いイメージがあるのだが、この桃のトマトジュース割りみたいなのは案外イケる。レモンでも加えればカクテルにもあるピーチトマトのような味わいになるだろう。

 などと考えているのは束の間、すぐにクリームチーズの味が襲ってくる。おいおいマジかよなんてクリームチーズ入れてしまったんだよ。という疑問がやってくるが、桃の味はすでに消え今のメインはトマト&チーズだ。ハーブが追加され、まさに飲むピザ状態である。桃の香りでどうにか口に入れたあとにピザ感をMAXで出してくる飲み物である。

 個人的にピザを食べながら桃ジュースを飲んでいる気持ちになれた。まさかこの小さなペットボトルにこれほどの要素が詰まっているとは。もし私が作るならピザを食べながら桃ジュースを飲んで喉に指を……。

 見た目やパッケージ的に罰ゲームに向きそうだが、実は結構おいしいのであんまり向かないと思う。カオスープシリーズまた見かけたら飲んでみたい。

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小林RH

編集長オカルテック
ネットゲーム、アナログゲーム、ギャンブル、ダイエットなどの記事をメインに オカルトといえばホラーなイメージを覆すため日々執筆中 「オカルトとは誰でも楽しめるエンターテイメント」