姫路の石城にあるラーメン屋「風の城」のサンラータン麺

 姫路のピラミッド級の石材で作られた城の奥、土日祝のみ営業しているという幻のラーメン屋があるという噂を聞きつけた。大阪から姫路までは片道1時間半程度はかかるわけで、ちょっとした遠征という形になる。ラーメン好きの有志7人が招集され、車を使っての移動とあいなった。

 目的地の周辺に着くと一際目立たない城が見えてくる。しかし車は城に近づくどころか離れていくのだ。見えている所にたどり着けない、これは城の存在感は見せつけるが、攻略するには難しいという古来からの知恵である。堀や石垣などは最もたる例だ。さて、まずは城に近づくところから始めなくてはいけない。

猛獣、草食動物、入り乱れる道

 車で進んで行き、電動式ゲートを開いた先は危険な猛獣が放し飼いにされているエリアだった。チーターやトラ、ライオンなど外敵から城を守る役目として飼われている。もし私たちが城の攻略に来たよからぬ連中だったとすれば一瞬で彼らのエサになっていただろう。あまり刺激せぬようゆっくりと写真を撮りながら進んで行く。

 草食動物は比較的おとなしいが、肉食動物と比べて数で勝っている。わずか7人のヒトと50頭以上のシカならばどちらが強いかは判断できるだろう。ライオンやチーターと同じく警戒しながら進んで行く。この時窓を開けたり、車の外に出てはいけない。どうしてもトラブルで動けなくなった場合はクラクションで係員に知らせよう。

車を降り、奇妙な道を進む

 監視役の石像がこちらを伺う。車で進んできた道とは違い、こちらは鑑賞用の動物たちが飼われている。草木が生い茂っている中を進むが目的の城は未だに見えてこない。カワウソの鳴き声は結構うるさい。

ディアブロが見えてくる

 導線に従い、動物たちがいたエリアから別のエリアに移動する。こちらは開けた丘のようになっており、目的地である「風の城」が丘の上に見えてくる。丘の上にはディアブロと呼ばれる悪魔的発想によって作られた人間拷問マシーンが設置されていた。外からは完全に見えないように作られており、もし私たちがよからぬ連中だったらと思うと身震いしてくる。

 しかし、この頃には7人居たグループも私1人になっていた。気づかぬうちに皆とはぐれてしまっていたのだ。周りからはゴォォーという轟音と共に人々の悲鳴が聞こえ始めた。私は恐怖した、同時に6人の命を無駄にしてはいけないと奮起した。風の城まではあともうすぐ、1人でも辿り着いてみせる。

城の外からの侵入

 「死霊城」と「風の城」が並ぶ。どちらも冬季は凍えるように冷たいようだ。風の城の内部は外と比べても一段階空気が冷たい印象だ。ホールの真ん中には水を凍らせた床が設置されており、そのまま進むと亡霊たちに靴の底に付けたブレードで切り裂かれてしまうだろう。ちなみにこの底にブレードの付いた靴は無料で借りる事ができる、氷の床ゾーンには手袋を着用していくのがルールだ。

 我を失い私は意気揚々と靴を借りて亡霊となり氷の床を滑ることになる。周りには70人程度の亡霊がダンスを楽しんでいた。私は過去にも何回か氷の床の亡霊になった経験があったため完全には自我を失わなかった。2周ほどすると靴が合わないのか足が痛くなってきたので、目的地のラーメン屋を目指すことにした

暖麺屋 風の城

 数々の試練を乗り越え、目的地である「暖麺屋 風の城」に到着した。入園料、道中にあるレストラン、園内最奥にある店舗と様々な要因が重なって客は私1人だった。一緒に来たはずの6人は「ディアブロに乗ります」だの「ハリケーンに乗ります」だのと別のルートからの潜入を模索していたようだが、徒歩でないと風の城には入れない事を最初に伝えるべきだった。

サンラータンメン

 そこそこ体が冷えていたので普通のラーメンではなくサンラータン麺を注文した。いわゆる酸っぱくて辛いラーメンなのだが、こういったラーメンこそ作り手の腕がわかるのではないだろうか。

 麺は細くもなく太くもなくノーマルだ。しかしサンラータン麺というものは酸味と辛味のバランスが重要なのは間違いない、この麺はどうだろうか。最高のバランスである。疲れた体に温かい酸味、ほのかに残る辛味。これは無念にも散っていった6人が授けてくれた味、そう思うと思わず鼻水が垂れてきた。辛味は少ないのだが、寒さも相まって刺激的な味だった。

みんなも行こう姫路セントラルパーク

 みんな、驚かせてごめんね! 実はこれ危険な城に行ったんじゃなくて、姫路セントラルパークに遊びに行った記事なんだ! 車に乗ったまま楽しめるサファリパークに遊園地、アイススケート、サンラータン麺が楽しめる姫路セントラルパーク。みんなも是非行ってみてね~

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小林RH

編集長オカルテック
ネットゲーム、アナログゲーム、ギャンブル、ダイエットなどの記事をメインに オカルトといえばホラーなイメージを覆すため日々執筆中 「オカルトとは誰でも楽しめるエンターテイメント」